Data Matrix(データマトリックス)作成ツール
履歴はありません。
Data Matrixとは
Data Matrixは、正方形または長方形のセルで情報を表す2次元コードです(ISO/IEC 16022)。極めて小さな面積に印字でき、かつ一部が欠けても復元できるのが最大の特徴で、電子部品、医療機器、自動車部品など、印字スペースが限られる用途で広く使われます。
現在使われているのはECC200というバージョンです。それ以前のECC000〜140は旧規格で、新規に採用する理由はありません。当ツールが生成するのもECC200です。
QRコードとの使い分け
どちらも2次元コードですが、得意分野が違います。
| Data Matrix | QRコード | |
|---|---|---|
| 最小サイズ | 非常に小さい(数mm角から) | 比較的大きい |
| 位置検出 | L字の実線+点線 | 3隅の切り出しシンボル |
| 必要な余白 | 1セル分 | 4セル分 |
| 主な用途 | 工業部品、医療、DPM | 一般消費者、URL、決済 |
| スマホ読み取り | 専用アプリが必要な場合が多い | 標準カメラで読める |
判断はシンプルです。一般の人がスマートフォンで読むならQRコード、産業用スキャナーで狭い面積に印字するならData Matrixです。
特に効くのが余白の差です。QRコードは四辺に4セル分のクワイエットゾーンが必要ですが、Data Matrixは1セル分で足ります。小さな部品では、この差が採用可否を分けます。
構造——L字パターンとクロックトラック
Data Matrixの外周は2種類の要素でできています。
- ファインダパターン(L字)——隣接する2辺が実線。コードの位置と向きを示します
- クロックトラック——残り2辺が交互の点線。セルのサイズと行列数を読み取り側に伝えます
実務上重要なのは、この外周が欠けると読み取りが成立しないことです。誤り訂正はデータ部の欠損を補うもので、外周の破損は補えません。刻印やラベル配置の際、外周に穴やエッジがかからないようにしてください。
誤り訂正について
ECC200はリードソロモン方式の誤り訂正を持ち、おおむね30%程度の欠損まで復元できます。QRコードと違い、訂正レベルを選ぶ設定はありません。データ量に応じて自動的に決まります。
「レベルを上げて安全にする」という調整ができない代わりに、設定ミスも起こりません。読み取り率を上げたい場合に調整できるのは、セルサイズ・コントラスト・印字品質の3つです。
DPM(直接部品マーキング)
Data Matrixが他の形式と決定的に違うのは、金属やプラスチックへの直接刻印で使える点です。レーザーマーキング、ドットピーン、エッチングなどで部品そのものに刻みます。
ラベルと違って剥がれず、高温や薬品にも耐えるため、部品のライフサイクル全体を追跡できます。一方で、DPM特有の難しさがあります。
- コントラストが低い——金属に金属で刻むため、白黒のような明確な差が出ません。DPM対応スキャナー(特殊な照明を持つ)が必要になることがほとんどです
- 光の反射——鏡面仕上げの金属では、照明が正反射して読み取れません。表面処理や照明角度の検討が必要です
- 曲面——円筒形の部品ではセルが歪みます。曲率に対してコードが大きすぎないか確認してください
DPMを検討する場合、スキャナーの選定と刻印条件の検証を、設計段階で並行して進めることを強く推奨します。刻印してから読めないとわかると、工程全体をやり直すことになります。
印刷サイズの目安
- セルサイズ——ラベル印刷では0.3mm以上、できれば0.5mm以上。産業用スキャナーの性能に依存します
- クワイエットゾーン——四辺に1セル分以上。QRコードより少なくて済みますが、ゼロにはできません
- 形状——正方形が基本ですが、細長いスペースには長方形版も選べます
データ量を減らすとセル数が減り、同じ面積でセルを大きくできます。格納する情報は最小限に——これがData Matrixでも最も効果的な最適化です。
GS1 DataMatrixについて
医療材料などで求められるGS1 DataMatrixは、Data MatrixにGS1-128と同じAI(アプリケーション識別子)の体系を組み合わせたものです。シンボルの仕組みは通常のData Matrixと同じで、データの中身にGS1のルールを適用します。取引先から指定された場合は、AIの構成を仕様書で確認してください。
参考にした一次情報
執筆:Anna Smith | 公開日:2026年8月22日 | 最終更新:2026年8月22日
本記事の規格に関する記述は、GS1およびJIS/ISOの公開仕様を参照しています。参照先は本文中に記載しています。
最終更新:2026年8月22日。規格・制度は改定されることがあります。実運用の前に必ず公式資料で最新情報をご確認ください。誤りにお気づきの際はお問い合わせよりご指摘ください。